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敬心学園

2016.11.18

日本福祉教育専門学校の「総合福祉セミナー」にて、弊学園理事長の小林光俊が『福祉・介護の未来』について講演を行いました。

11月18日に、弊学園理事長の小林光俊(日本介護福祉士養成施設協会会長)が、日本福祉教育専門学校「総合福祉セミナー」で「福祉・介護の未来」について講義を行いました。

介護を取り巻く日本の動きについて分かりやすく説明しながら、超高齢化社会の日本で活躍できる福祉や介護の専門職に必要なスキルや能力について話をしました。

敬心学園は、未来に必要とされる専門性と人間愛を兼ね備えた人材を育成するために、教職員が日々学び、努力を重ねています。

これから医療・福祉・介護の道に進みたいと考えている方、人をサポートする仕事・誰かの役に立つ仕事に就きたい方、情報技術が発展し変化していく世の中でずっと働き続けられるスキルを身に付けたい方、ぜひ以下をご覧になり、進路選択の参考にしていただけましたら幸いです。

 講義内容抜粋 

弊学園理事長の小林光俊

今、時代は激しく動き、介護を取り巻く環境も変わってきています。

今朝の新聞に介護に関する法律が2つ法律として制定されたとの記事が出ました。1つは「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案」です。これまでは、外国人の方が日本の介護福祉士養成校で介護に関する知識や技術を学ぶことはできたのですが、卒業すると母国に帰らなければなりませんでした。来年からは、卒業後に日本の在留資格や就労権を得られるようになります。

もう1つは「「外国人技能実習制度」の適正化法案」です。この法律は、外国人の技能実習生を安い労働力として入れることが目的ではありません。日本の技術や技能をしっかりと学んでいただくために迎え入れ、母国で働く際に日本で得た知識を活かしてもらうことが目的だと、塩崎厚生労働大臣もおっしゃっています。

今、我が国は人口減少社会です。出生率は低下し続けています。仮に、出生率が1.4から1.8や2.0に急遽改善されるようなことが起こったとしても、生まれてきた子供が働けるようになるには20年ほどの時間がかかります。私はその間の日本の活性化のために、留学生を日本に受け入れ、職業教育を行い、就労権を得て働いてもらうことは非常に有効であると考えます。

今まで、ヨーロッパやアメリカなど様々な国の教育機関や福祉施設を見学させていただきましたが、経済が発展している国は留学生の受け入れや育成に大変積極的です。国を挙げて留学生や移民を支援する制度がきちんとできています。

日本もこれからはそういった姿勢が求められています。外国の優秀な若者を安い労働力としてではなく、日本を活性化させる即戦力として見ることが大切です。留学生に、日本で学んで働き定住してもらうのも良いですし、ある程度働いて自信をつけることができたら母国に帰り、その分野のリーダーとして活躍し、日本との架け橋になっていただくことも素晴らしいことだと思います。これは国際貢献にも繋がります。このような道を切り開く先駆けの分野として、「介護」が非常に注目されていると政治家の先生もおっしゃっています。

これからの介護は、今までの介護とは違います。今までは、3K(きつい・汚い・危険)の仕事だと言われてきました。この3Kは「専門性」で改善できます。介護を3Kと言うのは、専門性のない人が言っているだけに過ぎません。例えば、きついと言われる体位移動は、ボディメカニクスの基礎知識や一部の介護機器を扱える技術があれば楽に行えますし、腰を痛めることもありません。これはヨーロッパでは常識であり、日本はまだまだ遅れていると言わざるを得ません。皆様方はこの学校で3Kを改善する「専門性」を学んでいるのです。

ここ十数年で、AI(人工知能)の分野は目覚ましい発展を遂げました。今の時代、小学校に入学した子供が大学を卒業するまでの16年間に、65%の仕事がAIやロボットに置き変えられ、変わったりなくなったりするとも言われています。

そのような時代に必要な資質や能力として、次のようなものが挙げられています。一つ目は、高い志を抱いて課題に取り組んでいく能力、二つ目は協調性・リーダーシップ・プレゼンテーションのような他者と関わっていく能力、三つ目は発想力・企画力・直観力などの創造的な能力、四つ目は豊かな感性・思いやり・慈しみや優しさの心などのホスピタリティ能力です。この四つの能力が必要な仕事は、AIがどれだけ発達しようと無くなりません。そして、これからの福祉や介護にとって必要な能力とも言えるのです。

弊学園理事長の小林光俊

これから福祉・介護の仕事、福祉・介護の教育は大きく変わっていきます。専門職というのはリーダーです。これからの福祉・介護の仕事を目指される皆様には、ぜひ「介護のリーダー」になっていただきたいと思います。

ーダーに必要な能力として、「時代の先を読む先見力」、「謙虚な心を持ち自己啓発を続ける力」、「スピーディーな行動力」、「スピーチ力」、「執筆力」が必要です。そして何よりも「周りの人々に対する人間愛」が求められています。福祉・介護の専門職を目指される皆様には、ぜひこの学校で先ほど言ったような能力を身につけて下さい。

また、敬心学園の教職員は、これらの能力を身につけ実践することによって、よりよい教育を行う学校にしてください。そして教職員の皆様と力を合わせて、これからの時代に求められている「専門職大学」を日本で最初に創りたいと考えています。

そして、その中には福祉や介護のコースをぜひ入れ、自立支援介護や地域包括ケアの中核を担えるような人材、世の中のリーダーとなれるような人材、外国から介護を学びに来る人にきちんと教えられる人材、そして、福祉と介護の架け橋・医療と介護の架け橋になれるような人材を育成していきたいと思っています。これからの我が国は、医療と介護のベストマッチングを求めていく時代になっていくのです。その時には、必ず介護のリーダーが必要になっていくでしょう。

今、日本介護福祉士会や日本介護福祉養成施設協会で介護職のキャリアパスを考え、新たな制度を構築しているところです。そして、敬心学園では専門学校の先生を育成する機関である「専門職大学院」を創りたいと考えています。

社会人の学び直しや働き方改革などで、日本の教育制度は今後大きく変わっていきます。介護の世界も大きく変わっていくことでしょう。その変化について自ら学び、社会と仕事を改革していくことができるリーダーになって下さい。

21世紀の介護、未来の介護は「楽しく積極的な介護」にしていくべきだと思います。例えばスウェーデンで行われている、楽器を使った認知症ケア「ブンネ・メソッド」のような、介護者と介護される人が両方楽しさを感じられるような介護を目指していくことが大切です。

介護は従来のイメージのような苦しいことだけではありません。これからは、楽しい介護、発展する介護、未来に明るさを感じられる介護に切り替えていくことが必要です。介護は、きつい・汚い・危険の「3K」ではありません。期待・希望・感謝・研究開発・感激・感動・幸福の「虹の7K」なのです。

介護の現場では厳しいこともたくさんあります。でも、それ以上に楽しいことや感謝されることもあると発信していきたいと思います。そして、介護の仕事に生きがい・やりがいを感じられることを多くの人に知っていただくことが、私たち教職員の使命であると考えています。

今春、日本福祉教育専門学校を卒業した小金栞さんは、在学中であった2月に「一億総活躍社会実現対話」に出席し、介護福祉士を目指す学生としてスピーチを行いました。 「介護の仕事は、本当にやりがいがある。そのことを国民の皆さんに正しく理解してもらいたい。」そう述べた小金さんのスピーチは、安倍総理大臣の心を大きく動かしました。第192回国会の所信表明で、安倍総理は小金さんの名前を出し「大きな希望を持って介護や保育の道を進んだ、こうした皆さんの高い使命感に、私たちはしっかりと応えていかなければなりません。」と述べられています。

今後、私は日本福祉教育専門学校の先生方と一緒に、福祉・介護のリーダーとなる人材を育成し、専門職大学・専門職大学院を創り、日本全国だけではなくアジアそして世界に広めていくことに取り組んでいきたいと考えています。

先日、文部科学省委託事業の一環でインドネシア大学の国際会議場で介護の実証講座を行いました。インドネシア政府やインドネシア大学の学長をはじめとする関係者も大勢いらっしゃる中で、モデル授業を行ったのです。日本の介護は世界中から注目されています。

今後、自立支援介護や地域包括ケアシステムを世界に広めるために、これからの介護の中核的な担い手になる人材、チームケアやマネジメントのできる人材を育成する使命が、この日本福祉教育専門学校にはあると考えています。

学生の皆様にもこの自覚を持っていただき、楽しくやりがいのある、国際的にも評価される福祉・介護の仕事のリーダーになっていただきたいと思います。

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