敬心学園ニュース
敬心学園

2016.12.01

法改正で外国人の受け入れ拡大へ。
在留資格、他分野への広がりに期待。

このたびの臨時国会で外国人技能実習制度の適正化法案と出入国管理及び難民認定法の改正法案が衆議院を通り、参議院に送られました。両法案は今国会で成立することになると思います。(インタビュー取材後、第186回通常国会において成立)

EPA(経済連携協定)で、2008年度からインドネシア、ベトナム、フィリピンの3か国から介護現場で働く人たちが入国しています。

しかし、これらの人たちは、4年目に介護福祉士の資格を取らなければ帰国しなければなりません。介護福祉士の試験は日本語で答を書いた上で、現場で介護記録をつけなければならないのです。日本語の力が弱いため、昨年までの合格者は累計で402人と少ない結果に終わりました。

難民認定改正法案が通った場合は、「介護」の留学資格で日本に入国し、国内の専門学校等で学んで介護福祉士を取得することが出来ます。そして介護現場で働くことが可能になります。これは3か国だけではなく、世界どこの国からも可能になるのですが、特にミャンマーからの入国者が多くなると思います。

日本介護福祉士養成施設協会には、全国で380校(4年制大学60校、短期大学80校、専門学校240校)が加盟していますが、この法案に対する会員校の期待には大きいものがあります。また東南アジアからの期待も相当高いと思っています。

先週、インドネシア大学で日本型介護のモデル授業を展開しました。非常に評判が良く、日本が世界一の長寿国であるということから、国際評価も非常に高いものがありました。その基本になっているのが、日本型介護と医療の連携教育がうまく機能していることだと思います。

日本の介護は、今後、自立支援がキーワードになっていきます。いかに自立させるか、寝たきりにさせないように、自立支援を重視した介護をしていくかが基本になっていきます。高齢者はもちろんのこと、若い人も交通事故などで怪我をすることがあります。そういう人たちを自立させなければいけない。それには自立支援介護がこれから発展途上国でも必要になっていくと思います。

私が特に注視していることは、専門職大学(仮称)が創設されますと、卒業者には国際通用性が担保されます。国際的に大学卒業の評価をしてもらえるディグリーが付与されるということですから、外国人にとっても新大学が非常に魅力のある高等教育機関になります。日本国内だけの資格ではなく、国際的にも通用する資格が取得できるということは大きな意味を持つことでしょう。

外国の学生たちが、日本で何を学びたいかといえば、実学なのです。日本はアジアの中で、最初に発展途上国から先進国になりました。ものづくりをはじめとして、職業教育に力を入れ、皆がものづくりを進めて日本の経済成長の発展に寄与してきたのです。

アジアの国の人たちは日本のものづくりの素晴らしさを知っています。だから日本製商品の品質が良い、日本の商品は世界の中で評価が高いということになっています。

日本の職業教育を学びたいという若い人たちは世界にたくさんいます。日本に来て学ぶとなれば、国際通用性を伴うのは大学しかありません。しかし、大学で学んでも実学が伴わないと、がっかりして帰る留学生もたくさんいるわけです。

これまでは日本の専門学校を志望し、学んでも、自分の国に帰って通用する高等教育としてのディグリーがなく、正しく評価されていませんでした。

新しく専門職大学(仮称)が創設されますと、専門的な知識・技術に加えて、国際通用性も担保されるわけですから、大変魅力のあるものになると思います。こうして外国人も日本にたくさん来て学び、あるいは日本人の学び直しの高等教育機関として社会人も一緒に学ぶ。その中で、ダイバーシティとなって新しい文化の創造、新しいものづくりの発想が生まれてくるのです。

日本国内でしか普及しない商品は、外国人と共同研究しながらディスカッションを繰り広げ、外国人の目線を入れたものになれば、よりグローバル化した商品に発展させることができます。日本のものづくりをグローバルにしていく一番早い道は、外国人を留学生として受け入れ、日本人と一緒に学んでもらうグランドデザインを高等教育機関として作っていくことだと思います。それが改正法案でようやく可能になります。

日本で国際通用性を伴う職業教育を受けて、その成果が正しく評価される。その先導役を介護や医療が果たしていく。その原動力になるのが、今回の法改正による「介護」の留学並びに在留資格であり、こうした制度が他の分野に拡大していくことを強く希望しております。(11月7日・専門学校新聞11月号取材)

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